研究室活動をご紹介します.
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主な研究内容

災害初期の啓開・がれき処理の減災効果に関する研究

  地域防災力の要因のひとつである建設業者が保有する建設重機数に着目する. 大地震が想定されている地域の市町村別の建設重機数を調査し,被害想定をもとに地域間での災害初期における重機の共有体制の有無が啓開においてどのような影響を及ぼすかを,建設重機をエージェントとしたマルチエージェントシミュレーターを用いてシミュレート. これにより,震災発生時の地域連携における効率的な重機の共有体制が災害初期活動に及ぼす効果を把握できる.啓開に関し,建物の倒壊による生き埋め者の救助も考慮するために,道路上のがれき処理に留まらず,市町内の全がれき処理を想定.

災害時の位置情報及び付加情報の提供の減災効果に関する研究

  位置情報機能を有する携帯端末向けのICTの効果的な運用方法に関して検討する.特に災害時に大量に発生すると想定されている帰宅困難者や滞留者などの歩行者を支援する対象として,災害発生時にこれを支援するシステムのあるべき姿を考察.そこで,発災した場合に,携帯電話で把握される位置情報が提供されることを想定し,それを利用した支援システムを構想する.また,震災後早期における混雑情報の提供が歩行による帰宅行動に及ぼす効果を検証するために,マルチエージェントシミュレーション(Multi-agent simulation.以後MASと呼ぶ.)を用いて混雑回避行動シミュレータを作成する.これにより,歩行者の位置情報から把握される混雑情報を歩行者が利用することから,帰宅行動に及ぼす効果を検証.

都市整備のストレス軽減効果に関する研究

  主観的情報のうち心理指標となり得るSD法(Semantic Differential Method)や,客観的情報のうち生理指標となり得る唾液アミラーゼを用いて,外的刺激である都市環境の視覚情報が有するストレス軽減効果について定量的に把握し,都市景観のどの特性によってあるいはどの特性の組み合わせにより,人々は癒しを感じるのかを検討する.このように,視覚情報がインフラ整備において主たる制御の対象となる情報であることから,視覚情報を抽出して検討.

土木建設分野における課題に関する社会心理学的な考察

  現在,我が国の建設マネジメントについては,二者構造の問題,契約の軽視など多くの課題点を抱えており,それを解決しようとする試みがなされているが,「組織」と「人」に着目し,心理・本能に基づく行動ととらえた研究はない.本研究では,これらの課題・問題点を,社会心理学の観点ならびに,人間の本能としての欲求の観点から解釈し,人間の本質的な欲求に基く行動としての分析.特に,片務性の実態をもたらしている事項として,二者構造に基く事業執行と変更管理,および紛争を主対象として,より具体的な関係組織や担当者の意識を整理したうえで,我が国の建設プロジェクトマネジメントのあるべき姿について考察.

ゴム鋼併用型耐震緩衝装置の開発に関する研究(終了)

  兵庫県南部地震以後,緩衝材の材質としては,剛性が小さく可逆的な大変形が可能であるため,繰り返し衝突への対処が必要な場合にでも適用できるゴム材が用いられる機会が多くなっている.種々の型鋼の中でエネルギー吸収性能が相対的に高い鋼管を緩衝材として用いることにし,緩衝装置を有する免震橋の動的解析によってその緩衝装置の有効性を立証している.その結果,鋼管が緩衝材として優れていることが示されたものの,鋼管が完全に破壊した際に反力が上昇してしまうという欠点が指摘された.これにより,繰り返し衝突が生じた際に緩衝効果が得られなくなってしまう.この欠点を補うために,繰り返し衝突に対して安定した緩衝性・エネルギー吸収性があるゴム材を鋼管に巻く形式のものを考案した.広範な静的実験及び動的実験により、その有効性を立証するとともに、その力学特性を簡易に表現できる力学モデルを構築した。

動的比熱測定法を用いた緩衝装置用ゴム材料の力学特性評価に関する研究(終了)

  兵庫県南部沖地震を契機として道路橋示方書が改定され,落橋防止構造には桁間衝突を緩和するための緩衝 材の設置が推奨されている.緩衝材の材料として,衝突力の低減とコストの観点からゴムが有望とされており, 現在盛んに研究が行われている.しかし,これらの研究のほとんどが緩衝材の形状や耐震効果に関するもので, ゴムという材料そのものに着目した研究は非常に少ないのが現状である.このため本研究では力学試験により ゴムの力学的性能を評価するとともに,ゴムのミクロな性質を評価できることから熱分析の一種である TMDSC を用いてゴムの動的構造を評価した.この動的構造と力学的性能を比較し関連性を調べることで,力 学試験と熱量測定による緩衝ゴムの性能評価の可能性について検討した.あわせて、ゴムの劣化特性や力学特性のとの相関性についても有益な知見を得た。(飯島正徳教授との共同研究)

産業連関‐交通ネットワーク統合モデルに基づく道路網の耐震化/復旧戦略(終了)

  大規模災害により交通網が被害を受けると,交通網による他企業との取引関係に依存した全ての企業活 動が迂回ルートの選択や,取引の中断を余儀なくされるなどの様々な影響を受ける.したがって,このよ うな経済活動への影響をできるだけ効果的に減少させるためには,各経路や道路と経済活動との関係を分 析し,優先的に補強,修繕すべき重要経路を特定することが重要となる.一般に,産業間の取引構造は, 産業連関モデルを用いた分析が行われてきた.しかし,交通網と産業間取引の関係は明示的ではないため, 迂回路の使用に伴う経路コストの増加や,さらに経路コストの増加に伴う取引構造の変化について分析す ることは困難であった. そこで,本研究では,災害時の交通状態を推計するための交通ネットワークモデル(利用者均衡配分モ デル)と産業連関モデルを統合した災害時の経済被害推計モデルの開発を試みる.また2004年10月23日に 発生した新潟県中越地震を例に当該モデルを適用することで,道路網復旧の効果等に関する実証的な分析 を行った.(吉田郁政教授・梶谷義雄氏との共同研究)

エージェントを用いた分散・独立・連携型電子納品検索システムの開発(終了)

  国土交通省が発注者となって行っている公共事業において成果物の電子納品が行われている.今後膨大 な量の電子データが蓄積されることから,効率的な情報検索が必要となっている.また電子納品データは, 各地方整備局などに分散管理され,全体として管理するためにはデータベースの統合化が必要となる. 本研究では,分散管理されたデータベースの統合化手法として,エージェントを用いたデータベース統合 化手法を用い,電子納品データベースの統合化システムを構築した.また,検索効率の向上を図るため, 検索テンプレートを自ら作成できるシステムの開発を行った.これらにより,分散管理された電子納品デ ータの効率的な検索と再利用を図ることができる.

事例ベースを援用した知識洗練機能付診断エキスパートシステムの開発(終了)

   エキスパートシステムの開発にあたっては,知識獲得の困難さがボトルネックであり,不確定情報を扱え ること,知識の更新機能をもつことが重要である.本研究では,仮説と仮説間の関係を構成要素とするネッ トワークで表現された,ルールベース洗練機能付汎用型推論システムを構築した.適用例として,道路橋 RC 床版の損傷要因推定のための既存エキスパートシステムのルールベースを用いて,提案するシステムの 有効性を検討した.その結果,適切な事例を教師データとして提示することによって,ルールベースが洗練 され損傷要因推定の精度が顕著に向上することが示された.

記録

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