核融合発電の実現には、磁力線でできたカゴによって高温・高密度のプラズマを閉じ込めて長時間維持する必要がある。磁場で閉じ込められた高温プラズマは、空間的にも時間的にも複雑な挙動を示す。複雑な高温プラズマの様子をシミュレーションした結果を可視化して調べるための装置として、核融合科学研究所(核融合研)では没入型バーチャルリアリティ(VR)装置CompleXcopeを導入している。また、将来の核融合炉はそれ自身が複雑な構造なため、組み立てや定期的な保守作業を効率的に行うには、それらの作業を念頭に置いて設計を行う必要がある。核融合研ではこの作業過程の検討をVR装置で行うための研究を進めている。本発表では、シミュレーション結果、実験観測データ、プラズマ閉じ込め実験装置データを同時にCompleXcopeで可視化した結果や、VR装置の核融合炉設計への応用について報告する。