7/2 1限:公害・差別・リスクを考える + 2限:被害構造と受益圏・受苦圏

授業スライドは→こちら

水俣病の被害と差別(テキスト,p146-148)

水俣病の経緯について
水俣年表
水俣病問題の代表的NPO
→水俣病センター相思社http://www.soshisha.org/jp/
熊本県ホームページ
→水俣病を巡る状況http://www.pref.kumamoto.jp/hpkiji/pub/list.aspx?c_id=3&class_set_id=1&class_id=1266

水俣病被害の全体像

被害の全体像 認定基準と被害

1977年に認定基準を厳しくしたことが補償されない身体・生活被害を増した

水俣病の患者認定問題

病像と認定基準

水俣病による生活障害

水俣の再生と地元学(テキストp149)

水俣の再生に向けた様々な組織やプロジェクト

地元学(元水俣市職員・吉本哲郎氏の提唱)

地元の人が主体になって,地元を客観的に,よその人の視点や助言を得ながら,地元のことを知り,地域の個性を自覚することから始まり,外からのいや応のない変化を受け止め,または内発的に地域の個性に照らし合わせたり,自問自答しながら考え,地域独自の生活(文化)を日常的に創り上げていくいく知的創造的行為

被害構造論

環境問題の被害は,生命・健康にかかわるものだけでなく,多くの社会的側面からなる重層的な構造を持っている.

被害構造論参考書A.9章,p129,図9-1

受益圏・受苦圏論

受益圏

受苦圏

分離型

格差型

自己回帰型

広域型

事例:豊島事件

受苦圏が弱小なために問題解決が進まなかった典型的な「分離型」環境問題.

瀬戸内海の豊島で,悪質な事業者が1978年から有害産業廃棄物を不法投棄・野焼し,50万トンを越える有害産業廃棄物を放置した結果,島民の生活を脅かし,またダイオキシンを含む有害物質が瀬戸内海に流出した事件.香川県がその業者を擁護したことによって問題は拡大・悪化し,1990年に兵庫県警が事業者を摘発して問題が一般に認知されるようになった.2000年に住民と県との公害調停が合意に達したが,廃棄物処理は今も続いている.

参考URL:http://www.teshima.ne.jp/

豊島事件の受益圏の構造:人口1500人の受苦圏に比べて圧倒的に大きく権力が強い

豊島事件の受益圏

社会的ジレンマと受益圏・受苦圏

産業型公害から都市・生活型公害へ

社会的ジレンマ:社会のそれぞれの人が自分にとって望ましい行為を選択すると,社会のすべての人にとって望ましくない結果が生じる.環境問題での典型例が,共有地の悲劇(資源枯渇問題).

環境問題における社会的ジレンマの構造

他人が環境に配慮する場合,(A)と(C)を比べると,(C)(=フリーライダー)のほうがより少ないコストで利益(環境が良い)を得ることができるので,(C)が合理的な選択肢となる.他人が環境に配慮しない場合,(B)と(D)を比べると,利益が少ない(環境が悪い)のは同じだが(D)のほうがコストがかからないので,(D)が合理的な選択肢となる.このようにして,多くの個人が(C)または(D)のように環境に配慮しない行動をすると,結果として(D)のナッシュ均衡が生じ,環境は悪化する.

環境問題のジレンマ 環境問題のジレンマ

受益圏・受苦圏論から社会的ジレンマを再整理する

主体が置かれている状況から社会的ジレンマを再整理する

social dilemma

「加害型」(右側)になればなるほど,「構造化された選択肢」(下側)になればなるほど,ジレンマの解消は困難になる.現代社会の環境問題は,もはや「共有地の悲劇」のような単純なモデルでは表せなくなっている.

生活環境主義の考え方

狭義の環境問題ではなく,その土台にある広義の環境問題,つまり環境適合的な生活様式や生活文化が継承されているかどうか,継承されていない場合に,生活と環境との関係はどのように変化しているかについての問題に着目する.

生活様式・生活文化