国際会議PLANS2018で、高精度・低コストのWLAN方式屋内位置推定技術を報告しました

 今回発表参加した国際会議PLANS 2018は、先進的な位置特定技術に関する専門家組織であるION(The Institute of Navigation)が、IEEE(米国電気電子学会)と共同して開催している国際シンポジウムです。今回の参加者数は専門家411名で、tutorial seminar 1日と、4トラック並行の発表が3日間行われました。屋内ではGPSは用いることはできず、しかし用途は広範なため、最近特に様々な手法の研究開発が進んでいます。その中で、本研究は、低コストと高精度の位置推定(人体サイズ)を可能とした内容であり、よく練られた論文であり、防災分野でのとても重要な論文であるとの評価を得ることができました。

 既存の無線LANの微弱電波を活用することで、低コストでありながら、GPSではほとんど不可能な屋内での高精度位置推定(約1m程度)を可能とする本技術は、微弱電波を含む多数の信号の特徴を活用しているため、エレベータの中にいることも検知が可能です。また、高層ビル内や駅構内などの屋内施設において、避難者の現在位置を把握して迅速な誘導・救助支援・安否確認を可能とします。平時には、顧客が近づいたときにタイムセール等の情報を届けるなど、便利で快適な生活の支援も可能となります。

(参考)  ION: The Institute of NavigationIONは、先進的な位置特定技術に関する専門家組織(利益を目的としない)で、構成員は、航海士、工学者、物理学者、数学者、天文学者、地図製作者、気象学者、教育者、測地学者、測量技師、航空パイロット、船員、ほかから成る。組織メンバーとしては、企業、軍、政府機関、科学研究所、大学、訓練機関、コンサルタント会社などを含む。国際技術ミーティングの一つに、PLANS (Position Location and Navigation Symposium)があり、誘導技術に関する最新情報を共有するために開催される。

2018年05月01日