球面のホモトピー群に関する様々な定理


定理1 m>1であるとき、πm(S1)=0

定理2 m<nであるとき、πm(Sn)=0

定理3 m>0であるとき、πm(Sm)=Z

定理4 任意の素数pに対して、S3のホモトピー群πm(S3)で最初にp-torsionが現れるのはm=2pのときであり、π2p(S3)=Z/pである。

よりグローバルな球面のホモトピー群の構造を示す定理としては、次のようなものが知られている。


フロイデンタールの懸垂定理(Freudenthal Suspension Theorem)

n≧k+3≧3とする。このとき、πk+n(Sn)はπ2k+2(Sk+2)と同型である。


セールの有限性定理(Serre Finiteness Theorem)

球面のホモトピー群の元は、πn(Sn)=Zとπ4m-1(S2m)(ただしm>0)を除いて全て有限群。後者は整数環Zを直和成分として1つだけ含む。


Cohen-Moore-Nisendorfer Exponent Theorem

p≧3とする。π*(S2n+1)のp成分の任意の元はpn倍すればゼロになる(注:p=3の場合はPaul Selickの結果)。


フロイデンタールの懸垂定理により、nが十分に大きなときπk+n(Sn)はnによらないでπ2k+2(Sk+2)と同型になる。これをπSkで表し、球面の安定ホモトピー群のk-stemと呼ぶ。次の結果が知られている。

西田のゼロべき定理(Nishida Nilpotence Theorem)

任意のπSkの元αに対してある自然数mが存在して、αm=0となる。