I型断面のフランジの幅と厚さは

どのように定めるのか?

I型断面の必要フランジ断面積は,許容応力度,曲げモーメント,桁高,腹板厚から計算で求めることができるが,その際,幅と厚さをどのように決めればよいのだろうかという質問.[幅/厚さ]を板の幅厚比という.まず,フランジは自由突出部を持つので,その部分の幅厚比が16を越えてはならないという規定が,道示8.3.1にある.これは,溶接ひずみによる悪影響や運搬中の不慮の外力に備える,フランジ応力分布を均一にするための配慮.

また,圧縮フランジの場合に,床版で固定されない場合には,局部座屈を考慮した許容応力度が定められている.しかし,本課題の場合,主桁は床版で固定されているため,局部座屈の心配はする必要がない.したがって,幅厚比は16を越えないという規定のみ抵触しないよう注意のこと.

次ぎに,鋼板の板厚は標準板厚のものを用いることに注意する.板厚は1mm毎にあると考えないこと.また,高力ボルトで添接する場所については,板厚が厚いとボルト孔によって減じる断面積が大きくなるし,また,幅が狭くなるので,1列に入るボルトの本数が減るので添接部が長くなり,補剛材などの他の部材とぶつかる可能性が高まることに注意する必要がある.

なお,フランジ幅はいかなる場合にも200mmより小さくしないこと.剛性が小さすぎると,運搬時の剛性不足など施工上やっかいとなるためである.