天空の蜂 東野圭吾
絶対に落ちない飛行機があるかい?ないよな。毎年、多くの死者が出ている。それに対して、お前たちのできることは何だ?落ちる確率を下げていくことだろう。だけどその確率をゼロにはできない。乗客はそれを承知で、その確率なら自分は大丈夫だろうと都合よく解釈して乗り込むわけだ。それと同じなんだ。俺たちにできることは、原発が大事故を起こす確率を下げることだけだ。そしてやっぱりゼロにはできない。あとはその確率を評価してもらうしかない。
いっていることはわかるが、その説明で納得できる人間は少ないだろうな。飛行機は、乗りたくなければ乗らないで済む。
問題はそこだ・・・原発が大事故を起こしたら、関係のない人間も被害に遭う。いってみれば国全体が、原発という飛行機に乗っているようなものだ。p.390
世の中には、ないと困るが、まともに目にするのは嫌だってものがある。原発も結局はそういうものの一つってことだ。p.521
以 上
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