それでもやっぱりがんばらない 鎌田實
人はぎりぎりの命を生きるときに、急に、自分の夢に気づく。
夢があるから、どんな苦難のときも人は生きられるのだろう。
フィールド・オブ・ドリームズ。夢の球場が誰にでもあったらいいなあと思う。人生のなかに小さなスポットライトが当たる空間。
命は一人では生きられない。つながりながら、自分の小さな夢が持てる場があったら、人はお金がなくても、障害があっても、苦難のなかにいても、生きていける。
君は愛されるために生まれた。
体と心のつながりで命は守られている。「気のせい」だと思われていたものが、実は科学的根拠があることが判明しだしている。免疫系、内分泌系、自律神経系によって、体と心はつながり、命や健康が守られていると、多くの研究者が言いだした。
重要なのは、我々が生きている間に何を行うかである。人生の悲劇は死ではない。悲劇は、我々が生きている間に我々の心が死に絶えることだ。 ノーマン・カズンズ
一人の子供の涙は、人類すべての悲しみより思い。 ドストエフスキー
人間にとって大切なのは他者への想像力だ。
家族の役割は、命を宿すこと、命を育てること、命を看取ること、そして、命を葬ること。さらに死んだあとも、その命を忘れないこと。
家族だから理解しあえるという考えは甘いのかもしれない。家族が理解し合うためには、並々ならぬ努力を必要としているのかもしれない。
家族だからこそ理解しあうことがむずかしいのだ。家族のなかには度を越した甘えがある。家族のなかには度を越した期待がある。甘えと期待が関係を複雑にするのだ。
家族はつながっている。どんな命も、何百年も前に、どこかにあった家族から血を受け継いできている。・・・ぼくの命は突然生まれたのではなく、たくさんの過去を生きた人の命のおすそ分けで生まれてきた命。それを支えたたくさんの家族があるということ。
家族が分裂していくのは「時」の法則なのかもしれない。
以上
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