生き甲斐について (中野孝次「人生を励ます言葉」より)

自分が存在していることは無意味ではない、自分は自分以外の人によって人間として必要とされている、理解されていると感じることが生き甲斐なのだ。

仕事に生き甲斐を見出すには、功不功を度外視して、本当にこれこそやりがいのあると信じられる仕事を見つける必要がある。

私は、自ら尊ぶべき正当な理由をわれわれに与えうるものは、われわれの中に一つしか認め得ない。すなわち、われわれの自由意志の行使、われわれの意志にたいしてわれわれの持っている統御力がそれである。けだし、われわれが正当に賞賛され、また批難され得るのは、ただこの自由意志に基づく行動に対してのみなのである。:デカルト「情念論」より

成功とか不成功というものは、もっぱら原因を他のうちに持ち、その無数の因果関係や他人の思惑、偶然の作用によって支配される。

我事に於いて後悔せず・:宮本武蔵「五輪書」より

自己に対するなんという無礼だ、その決心したときより今の自分のほうが利口だと、どうして思うのか。:スタンダール「パルムの僧院」より

つねに自己の全部をもっていきいきと感じ、行動し、そうやって生きた自分の責任を全面的に自己において引き受ける。過ちとか、失敗とか、成功とか、そんなものは問題にもならない。デカルトは一個の人間の徳を、彼の行為によらず、彼が彼自身の上に振るう力、すなわち「自由意志の行使」のによってのみ見、かかる精神の状態を高邁と名付けた。

以上