教育あるいは学問について (中野孝次「人生を励ます言葉」より)

食欲がないのに食べるのが健康に悪いように、欲望を伴わぬ勉強は記憶を損ない、記憶したことを保存しない。:レオナルド・ダ・ヴィンチ「手記」より

学校によって徐々に教え込まれる制度化された価値は、数量化された価値である。学校は人間の想像力を含めて、否、人間そのものまでおも含めて、すべてのものが測定できるような世界へ若者を導きいれる。:イヴァン・イリッチ「脱学校の社会」より

ただ学校制度の要求するものばかりを果たしているうちに、ひとは与えられた要求に巧みに反応するだけの者になってしまう。

学ぶとはいかに生きるかを学ぶことであって、知識を獲得することをいうわけではない。

ひとは自分が心から愛し尊敬するひとからのみ何かを学びうるのものだ。

結局ひとは自分の愛する人からのみ学ぶことができるのだ。:エッカーマン「ゲーテとの対話」より

自分のうちに持っているか、他人から得るか、独力で活動するか、他人の力によって活動するか、こんなことはみな愚問なのだ。大事なことは、大きな意欲を持ち、それをやり遂げるだけの技能と根気をもつことだ。それ以外はどうでもいいことなんだ。:エッカーマン「ゲーテとの対話」より

どうしても自分の気質や性格や生き方に合わない、好きになれないものもある。が、それは放っておけ・そうじゃなくて、自分から好きでならぬものを見つけ、その海を泳ぐことによってできる限りの栄養を摂取しよう。

必要なのは才能などではなく、強い意欲をもち、それをやりとげるだけの根気なのだ。

ひとは好きだからこそ辛抱強く、根気よく、物事を一つ一つ段階を追って達成できるのだ。それを誤って才能と呼ばれるものなのだ。

以上