友情について (中野孝次「人生を励ます言葉」より)

自分とは違う他者が存在する、という事実を知って、ひとは己れというものを知る。

太鼓の音に足の合わぬ者を咎めるな。その人は、別の太鼓に聞き入っているのかもしれない。:ソロー「森の生活」より

天国にひとりでいたら、これより大きな苦痛はあるまい。ゲーテ「格言的」より

金持ちは友情というものを、まったく知りません。特に生まれた時からの金持ちは。:「モーツアルトの手紙」より

愛と信頼と尊敬とをもって結ばれたつながりが、友情とよばれるものだ。

我を生む者は父母、我を知る者は鮑子なり、管鮑の交わり:司馬遷「史記」より

大多数の人々が軽薄で頼みにならぬという非難を負うのは、次の二点のため、すなわち威勢がよくなると友人を軽んずるようになるか、或いは友の不遇に際してこれを見捨てるか、によるものである。

人は年たけ性格が完成せられて、初めて真の友愛の意義を悟ることができよう。:キケロ「友情について」より

苦しんだことのない者は相手の苦しみを知ることはできない。

以上