あかんべえ 宮部みゆき 解説 菊地秀行 常に前を見て進む強い意思と勇気を持ちながら、他人への思いやりも忘れない。人間の弱さに対する哀しみと同情を忘れない。 人間は善くありたいと思う。思いながら、それが上手くいかないことを、人間は同時に知っている。それが現実というものである。 現実というものの残酷さに打ちひしがれ、人の心はねじ曲がっていく。 健気さ は、我々が奏でることを忘れてしまったものである。ひょっとしたら、自分は今よりもマシな善き人間なのかもしれないー或いは、そうなれるかも知れない。 以上