総人口78億、世界GDP87兆ドル、先進国のインターネット利用率7割、ひとりあたり資源の年間消費量10トン、都市生活人口35億人… 私たちの生活環境は膨張し続けています。このような膨張は一方で、環境、社会、情報、政治、文化、様々な側面で大きな歪みという形で表れています。
100年間で気温は約1℃上昇し、40億人が水不足の状態を経験し、いまだ24億人がトイレの無い生活を余儀なくされています。日本へのサイバー攻撃は年間100億件、世界の難民は6,500万人を超えています。しかし、未だ人類はこれらを根本的な解決する方法を見出していません。
2015年、国連が中心となって持続可能な発展目標が定められました。ここには、気候変動、水、生態系、都市やインフラストラクチャなど様々な項目に対して、世界の目標が掲げられたのです。広範で多岐に渡る地球規模の課題を解決していくには、人工知能、IoT、ビッグデータといった最先端の情報処理技術を駆使しつつ、バイオマスや再生エネルギーなどのエコイノベーションを継続的に進め、スマートシティやエコタウンへと早期に具現化していくことが求められます。
21世紀の新しい研究領域である「環境」と「情報」と「都市」は、いま専門家の育成が急務です。環境情報学研究科を修了した卒業生は、世界の環境・社会問題を解決するためのエキスパートとして、研究、コンサルティング、情報技術、政策など様々な場面で活躍しています。環境情報と都市生活分野を代表する60名の教員が、持続 可能社会の実現に向けて共に研鑽する皆さんのお越しをお待ちしております。
持続可能な社会を築くために、私たちが暮らす社会が抱える課題を分析し、解決策を提案することが求められています。そのためには、高度な専門知識とデータ分析能力を身につけるとともに、フィールドでの経験を積んだ人材が必要です。環境情報学専攻では、「環境学」と「情報学」をバックグラウンドに持つ教員が、院生とともにプロジェクトベースの研究を精力的に進めています。ぜひ、所属教員の研究テーマとその内容を調べてみてください。皆様と協働できる教員が必ずいるはずです。
都市生活学専攻では、都市における社会課題の解決と価値ある都市生活の持続的な創造発信に貢献する専門能力を身につけ、多様な生活サービスや都市イノベーションを企画・実践できる人材育成を目指しています。具体的には、「都市のビジネス」「都市のマネジメント」「都市のデザイン」「都市のしくみ」の4分野を射程とし、これらのうち複数分野の専門知識を横断的に持った幅広い視野と高度なリサーチ能力を備え、説得力ある提言を行う実践力を醸成する学修課程をもって、皆様の進学をお待ちしています。
アジア大洋州において温室効果ガスの排出量は世界最大で、今後も増加が見込まれています。脱炭素技術の導入と消費構造の変革、社会インフラの整備を含む気候変動対策は最重要課題です。カーボンニュートラル実現のため、本学とオーストラリアのエディスコーワン大学が連携することで、国によって異なる視点や価値観を融合して問題を発見して解決する能力と異文化適応能力を涵養し、アジア大洋州でリーダーシップを発揮できる人材を養成します。アジア大洋州において世界を視野に入れた人材のネットワークづくりを期待しています。