OG・OB

湯 龍龍

湯 龍龍

  • 伊坪研究室学部1期生(2007年3月卒業)
  • 学部卒業後、修士・博士課程(2012年3月修了)を経て就職

現在は、農業・食品産業技術総合研究機構にて任期付き研究員として勤めている。中国出身。2児の父。
持続可能な農業を実現するために、LCAが貢献できることを考えながら研究を進めている。

大学選びの決め手は「ISO」

大学進学前は日本語学校に通っていました。いざ大学進学を考えると、日本語学校での成績が良かったことから、某国立大学か武蔵工業大学(現東京都市大学)の進学が可能でした。どちらの大学に進学するか迷いましたが、国際規格(ISO)をもっと深く学びたいと思い(当時はISO9000は知っていた)、武蔵工業大学への進学を決めました。また、弟も横浜にいたことから生活はしやすいと感じました。

「ISO」そして「LCA」へ

大学入学後、環境の国際規格であるISO14000シリーズを学べたことは貴重な経験でした。大学学部生時代の半分が過ぎた頃、研究室を選ぶ時期になりました。私は新任の伊坪徳宏先生の研究室を選びました。専攻はLCAであり、初めてLCAという学問分野を学ぶことができました。当時は、定量的に環境影響を示せる強力的な手法であると感じました。現在の仕事でも、当時の学びが十二分に活かせています

前に進むしかなかった・・・

当時LCAという学問分野は今ほど世の中に浸透していませんでしたから、参考できるLCA分野の博士研究が少なかったです。そのため、自らの頭や足を動かし研究を進めていきました。研究を通じて出会った各環境分野の専門家とともに、健康や生物多様性の影響係数を算定する貴重な経験は、今も活きていると感じます。

LCAの最大の強さ

研究室でLCAを学び、就職後LCA研究者となった今でも、改めてこの学問分野の将来性は感じますね。私が学生であった当時と比べると、明らかに社会に浸透してきていますが今後も発展の余地は十分にあると感じます。例えば、農業分野では、生態系影響を考慮する有機栽培技術や、効率性を追求する精密農業システムの導入による効果を包括的に示すために、LCAが期待されているが、技術の違いを考慮できる生態系影響の係数と各種環境負荷物質の排出係数の算定研究がまだ不十分です。

また、LCAは様々な専門分野を横断的に評価する総合的評価が可能である学問分野です。例えば、上記有機栽培の場合は土壌の質にプラスの影響を有するが、有機質肥料を適切に管理しなければ、富栄養化物質の流出が増えるかもしれないので、LCAに基づく総合的評価が重要です。LCA研究者は多くの研究所でニーズがあります。皆さんがLCAを真剣に学び、研究者となり、一緒にお仕事できると嬉しいです。

小野 雄也

小野 雄也

  • 1986年10月9日生まれ、茨城県牛久市出身
  • 伊坪研究室4期生 当時の役職:ゼミ長
  • 環境情報学部 環境情報学科 2010年3月卒業
  • 環境情報学研究科 博士前期課程(修士) 2012年 修了
  • 環境情報学研究科 博士後期課程(博士) 2015年 修了
東京都市大学 研究助手 2012年 - 2014年
日本学術振興会 特別研究員 2014年 - 2015年
シドニー大学 visiting researcher 2015年
東京大学 生産技術研究所 特任研究員 2015年 – 2017年
株式会社Green Guardian 代表取締役 2018年 – 現在

紹介にあたり

伊坪研究室の紹介ホームページ作成にあたり、多くの優秀な先輩・同期・後輩がいる中で私を指名して頂いたことに感謝致します。これから伊坪研究室に入る皆さまにおかれましては私の経験が少しでも役立ち、皆さんと伊坪研究室との仲を取り持つ一助になれば幸いです。

入学から研究室選びに到るまで

浪人生活からの解放と憧れの一人暮らしから希望を胸に大学近くのアパートに下宿を始めました。当初は勇気を出して?テニスサークルに入りましたが、高校時代の脱臼癖が再発。月に一度脱臼し、時には救急車で搬送されるような事態になった為、一年たたずにサークルを辞めてしまいました(因みにとても健全なテニスサークルでした)。それから暫くしてISO学生委員会の活動にどっぷりと浸かりました。とにかく自分で何かを形にするのが楽しくて仕方なかったので、授業は程々に1年生から2年生の間はほとんど授業が終わるとメディアセンターのホールを同期10名程と一緒に占拠して毎日会議やら新しいプロジェクトの話やらをしてメディアセンターを追い出されるギリギリの時間まで何かをやっていました。信じられないかもしれませんが、大学入学当初はパソコンの起動の仕方すら分からなかった私が半年もすればoffice全般とホームページ作成、動画処理等も出来るようになっていました

伊坪研究室を意識し始めたのはそういった活動が進むにつれて、環境によさそうなイメージの我々の活動が本当に環境にいいのか?また、どの程度環境にいいのかを知りたくなったのがきっかけです。今思うと非常に簡単な比較なのですが、タンブラーとペットボトルはどちらがどれくらい環境にいいのか?紙の使用を抑制した場合、どの程度環境にいいのか?といった疑問です。それを知るために伊坪先生に会いに行ったところ、後に研究室の先輩になる堀口健さん(伊坪研究室2期生:ゼミ長)を紹介して頂き、一緒に算定を始めました。時間は少しかかりましたが、堀口さんの大変丁寧な指導を経て算定結果を得ることができました。また、これまでの”なんとなくイメージ的に良さそう”という抽象的な直観を頼りにした判断から数値を基にした理路整然とした判断ができるようになったのもLCAの力だと感じるようになりました。

この頃から伊坪研究室に入りたいと思うようになったのですが、例年より募集人数が少ないこと、成績上位者の志望が多いという背景から成績が真ん中位の自分がどうしたら入れるかを真剣に考えました。同期には伊坪先生が好きなお酒を持ってきて仲良くなるという卑劣な手段を取る輩もいましたが、努力の末、私もなんとか生存競争を勝ち抜くことができました。

伊坪研究室で得たもの

伊坪研究室に在籍していた期間で得られた経験や能力は数多くあります。

それというのも国の研究所や大手コンサルタント会社を含めたインターンシップ、海外の学会参加や企業との共同研究、夏合宿や他研究室との交流などに参加できること、先輩が後輩をフォローできる体制がシステム化されているからだと思います。何を得るかは各学生によりますが、頑張った分だけ自分に返ってくる土壌が出来ています。ですから、研究室に入ってからはとにかく、必死に研究に集中した記憶があります。その結果、東大や京大、早稲田や慶應を始めとした名門大学の学生を抑えての学会賞を受賞したり、研究成果や知見を国内外の研究者に指導したりするまでに至りました。

ここまで書くと自分が凄いと錯覚しがちです。私自身も努力したつもりですが、この成果はどちらかというと研究室の力に他なりません。つまり、努力した学生を引き上げる指導力やコネクション、データやプログラムを購入できる財政基盤、先輩方の研究成果の積み上げ等が伊坪研究室にあったということです。

研究室開設14年が経ち、多くのOBOGが輩出した現在は更に研究室の力が増加しているはずです。

卒業後の選択肢

大学院を選択するということは働くのが学部生卒に比べ遅くなるということです。その間、景気の変化や早く社会に出たいという気持ち、同期との違いに焦ったことを覚えています。また専門性が増す一方で一般的に職業選択の幅は狭まります。博士課程までいくとその傾向がかなりあります。私が東京都市大学(旧武蔵工業大学)を志望したのはしっかりとした環境の知識を得て、世の中に貢献できる仕事がしたいと考えたからです。企業の環境部門の担当者になって活躍したいと思っていました(実際にそうなることが出来る人はかなり少ないという現実を知り、絶望しました)。なので、とにかく突き進むしかないと思ったのです。先輩の湯龍龍さん(1期生、伊坪研究室初の博士号取得者)の話にもありますが、まさに”前に進むしかなかった・・・”です。当時のLCA分野の博士学生がまだ卒業している人がいなかったこともあり、自分の将来がどうなるか全くわかりませんでした。しかしそれだけに後輩が続けることが出来るよう努力しました。幸い、私も先輩も無事に研究者のポストを獲得することができました。これは新しい分野であるため、出来る人が少なく結果としてそれが優位に働いたのだと思います。卒業から数年経ちますが、その優位性はますます増しています。そういった背景もあり、3年間研究者として働いた後に会社を設立しました。

LCAの将来展望と広がるネットワーク、メッセージ

国内外問わず、ESG投資やSDGsの追い風から現在の環境分野には我々が活躍することが出来る場が多く存在します。その中には勿論、製品やサービスを評価するLCA案件もありますし、論文調査や海外での代理発表、講演やアドバイス業務など大小様々です。いずれにせよ、どれも根本的には研究室で経験している為、難しいと感じる案件は多くありません。LCAの強みの本質は客観的数字を示すことによる意思決定の補助が出来るという点です。“見える化”とも言われますが、その利点は環境に留まらず、あらゆる分野・領域で応用可能です。その為、この分野の将来展望はとても明るいと思われます。

伊坪研究室の特徴かもしれませんが、環境分野で働いている先輩や後輩が他大に比べ相対的に多い気がします。最近は一緒に仕事をするという楽しみが生まれました。これを読んでいるあなたともいつかどこかで一緒に仕事ができるかもしれませんね。

ご存知の通り、気候変動を始めとした環境問題は大変深刻な問題です。我々が生きている間に解決することは難しいかもしれません。しかし、だからこそ解決に向け全力で挑戦しなくてはならいと考えます。その為の力を伊坪研究室で磨き上げ、社会で活躍する一員となることを切に願います

飯田 惣也

飯田 惣也

  • 伊坪研究室学部7期生(2013年3月卒業)
  • 学部卒業後、修士課程を経て就職(2015年3月卒業)

現在は、総合電機メーカーにて社会インフラシステム開発の部署に勤務

大学院という場の出会い

元々は卒業して就職することを考えていたのですが、今後に対して迷っていたところを、指導教官の伊坪先生に手を差し伸べていただき、大学院への進学を決意しました。進まざるを得ない状況もありましたが、2年間で力をつけて、見返してやろうと、もっと自分に合う会社に入れるよう頑張ろうという気持ちが強かったですね。この想いが研究活動を支える原動力になったと思います。

研究室では、同時期にタイからの留学生と一緒に学ぶ機会がありました。半年くらいのお付き合いだったのですが、日常生活のお世話を含め交流があったので、現地の料理をふるまってもらうなど、国際交流として公私共に貴重な経験をさせていただきました。日常的に会話を重ねていたことから、徐々に研究にも協力していただきました。彼らと議論をすることで研究に対しても面白さを感じるようになりました。なにより、日常で習慣的に英語を使うことができたので、英語力が向上しましたし、国際学会での発表も苦になりませんでした。

社会人へのステップアップの期間

伊坪研究室での活動は貴重な経験の連続でした。学部時代の印象的な出来事として、3年時に、伊坪研究室と共同研究を行っている企業へインターンシップに行き、提示された生の工場データを基に環境影響評価を行いました。最終日に評価結果を役員の方に説明しましたが、普通の企業インターンシップではできない事だったと思います。

私は研究室に学部・大学院と4年間在籍しましたが、圧倒的に社会人の方と話をすることが多かったので、社会人になってからもお客様の対応に抵抗は全くありませんでした。振り返ると、研究室活動を通じて、知らず知らずのうちに社会人になるための準備ができていたのだと思います。もちろん大学院在籍時は、先に社会人になった同期の話を聞くと、大変羨ましかったですが、今では大学院に進学して本当に良かったと思っています。

研究活動が活かされていると思った瞬間

大学院在籍時は「社会人の立場としたら、今行っている研究がどのくらいの社会的価値があるのか。」という疑問を持っていました。この研究で得られた知見や技術を、実態の経営や経済の中で活かしたら、どのくらいの便益をもたらすのかをひたすら考えましたね(マジメに・・・。)ですので、社会に出てからは、企業として利益を求める中、自分が関与したことで対価を得られることに喜びを感じています。

LCAの研究も役立っています。ライフサイクルという観点では、システム開発の世界でも上流から下流、エンドユーザまで含めてトータルで考えなければなりません。例えば、システム開発作業の一部を自動化するツールを設計するとなれば、システム境界を考えなければなりませんし、これらの基本的な考えはLCA と同じ見方だなと思っています。数字を使って「この考え方のもと、この結果を出して、こう結論づける。」と説明するのは社会でも同様で、当時の経験がとても活きていますね。

最後に・・・在学生に向けて

社会人になって思うことは、今は環境分野の勉強だけでは、足りないのではないかということですね。エコをやるとしても、法律など社会で決められた環境基準内で、必要最低限やるという組織が多いように思います。結局、専門分野・技術以外にも取り組んでいかなければ、社会はあまり変わらないという事を実感しています。だからこそ、法学や経済学、経営学、それこそ「情報学」など、多分野を組み合わせないといけないと思いますね。もう一分野付帯させていくと新しい視点が加わり、良い研究ができると思います。

私は研究成果が実社会に適用できないと意味がないと思うのです。今の社会がどうなっているのか、どのような枠組や決まりで動いているのか、そこに対して自分の研究がどのように適用できるのかまで考えたら、実態に則したリアルな研究になりますし、説得力が増すと思います。

環境分野を基礎として研究をしていくのは良いですが、さらにステップアップを目指して研究成果が実社会で使えるのか、検討した結果、実際には使えないということなら、使えるにはどうすれば良いのか、そこまで踏み込むとより一層の面白さが期待できます。このような視点で研究活動に取り組んでいただくと、一味違った研究になるのではないでしょうか。

先日、社長から社員向けに年度初めの挨拶がありました。会社としてやるべきことのメッセージの冒頭は環境問題への取り組み強化についてです。(特に気候変動と水資源)それは、この問題を企業活動としっかり結び付けていなければ、株主から投資を絶たれるという経営者としての危機感の表れだと感じています。大学在籍時よりも、企業が環境に対して目を向けている事を改めて強く感じます。今、環境分野を勉強する学生へアドバイスできる事は、社会の需要に応えられる「人財」として、専門性を磨くために研究に取り組んでほしいということです。社会的需要の高さがあり、どの業界・分野でも人財としては欲しがられると思います。

もし、大学院に進学することを少しでも迷っている方には、是非とも進学を選択してほしいですね。社会人になると自分のやりたいことに思いっきり時間をかける事がなかなかできません。自分のやりたいことを好きなだけできる時間を得られるということは、本当に貴重なことなので大切にしてもらいたいと思います。限られた時間の中で自分の将来をイメージしながら、密度の濃い研究活動を行っていただきたいと切に願っております。

アンケート

卒業・修了後の進路

卒業後の進路・・・33件

研究室での学びが仕事に活きたか

研究室での学びが仕事に活きたか・・・29件

どのような学びか

どのような学びか

ゼミ生活において良かったこと

  • つながりが強固で、苦楽を共にした仲間と出会えた
  • 研究も遊びも全力で、メリハリのある日々を過ごせた

伊坪研究室での就活のコツ

  • スケジュール管理が大切。研究と就活でどっちつかずの状況になってはいけない
  • 日にちを分ける、時間を分ける等の工夫をしよう

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