化学の力で未来を開拓する時代
化学は「物質」を研究対象とする学問であり、その研究領域は極めて広く、あらゆる産業分野の基盤となっています。化学における研究成果は科学や技術を高度に発展させ、人々の豊かな生活を支えてきました。

一方で、温暖化などの気候変動や大気・水質汚染、エネルギー資源の枯渇など、環境・エネルギー問題は地球規模の深刻な問題となっています。こうした課題を解決するためには、環境にやさしいクリーンエネルギーの開発、地球環境保全に適合した新材料の創出、廃棄物の無害化・再資源化技術などが必要不可欠です。
化学が関係するナノテクノロジーなどの先端技術がこれらの開発に役に立ちます。また、安心・安全で豊かな社会生活を送るためのバイオ・ヘルスケア分野の研究開発においても化学の知識が求められます。
現代は、まさに化学の力を必要とする時代なのです。
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学びの目標
化学・応用化学に関連する技術開発のため、化学およびその周辺分野に関する基礎学力と高い専門的知識を備え、課題を探求し解決する優れた能力を持つ技術者・研究者を養成します。
下記の3分野で、豊かで持続可能な社会の構築に貢献できる高度な専門性を養います。
有機・生物化学分野
物理化学・化学工学分野
無機・分析化学分野
・高分子・バイオ化学・有機合成化学・環境化学工学・機能性界面化学・固体材料科学・動的解析化学
化学を中心に据え、環境・エネルギー・食と健康に関連した物質やシステムについて系統的に学習
有機化学、無機化学、物理化学、電気化学、界面化学、高分子化学、固体化学、量子化学、化学工学、エネルギーシステムなどを基礎とし、物質、材料、デバイスやシステムに関する基礎から応用まで幅広く学習し、基礎から応用まで「役に立つ化学」の知識と技術を身につけます。
1年次では理工学の共通科目となる基礎科目を学習し、理工学の基礎知識と考え方を身につけます。2年次からは基礎化学と応用化学の基本をしっかりと身につけ、専門学習につながる実験・実習科目を通して生きた技術を学びます。
3年次では有機・生物化学、物理化学・化学工学、無機・分析化学の3つのコースで学習し、4年次の卒業研究ではより高度かつ実践的な研究課題に取り組みます。
高い専門性を反映した一貫性のあるカリキュラム
化学を土台にした基礎学力を身につけ、環境や資源問題にも配慮した研究開発に総合的に取り組める能力を育成します。
材料開発からデバイス開発及びシステム設計まで、化学的センスを基にして理工学分野の諸問題を根本から追求し、解決手段を提案できる能力を身につけます。
進路・資格
就職
活動の場は、民間企業、教育、研究機関、団体、自治体、官公庁などさまざまです。
基礎研究、新素材開発、新エネルギー開発、プロセス技術開発、製品分析、品質管理、計測、プラント設計、システム構築・設計・開発、リサイクル技術開発、産業廃棄物処理技術など非常に幅広い分野に携わります。また中学校の理科・技術、高校の理科・工業の教員への道も開かれています。
エネルギー化学科および電気・化学専攻 エネルギー化学領域
業種別就職状況 2020年度

- 製造業(輸送用機械器具)
- 日産自動車/いすゞ自動車/スズキ/本田技研工業(Honda)/ジヤトコ/NOK/住友電装
- 建設業
- 前田道路/大成建設/鹿島建設/世紀東急工業/富士興業
- 情報通信業
- TIS/アイネット/ヒューマンシステム/才
- 設備工事業
- 東京ガスエンジニアリングソリューションズ/三機工業/千代田工商
- その他
- 吉野工業所/東洋クオリティワン/アズビル/野毛電気工業/理化工業/富士電機/太陽誘電/ソシオネクスト/ユシロ化学工業/クアーズテック/タンガロイ/ナンシン/東京電力ホールディングス/関西電力/山九/メイコー/ニチアス/ダイナパック/トッパンインフォメディア/タツノ/ハーベス/IHI検査計測/エア・ウォーター・マテリアル/帝国データバンク
大学院進学
例年、30~40%の卒業生が、より専門的な技術者や研究者をめざして大学院博士前期課程へ進学しています。
取得できる資格
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中学校教諭一種免許状(理科)
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高等学校教諭一種免許状(理科)
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中学校教諭一種免許状(技術)
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高等学校教諭一種免許状(工業)
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危険物取扱者
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消防設備士
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公害防止管理者
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卒業生全員が得られる資格
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卒業生全員が受験資格を得られる資格(2年間の実務期間が必要)
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卒業生全員が受験資格を得られる資格
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所定の単位を修得すると得られる資格(実務・研修・講習を含む)
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◆
所定の単位を修得すると受験資格が得られる資格
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資格取得の際、試験科目の免除など、必要な条件の一部が免除となる資格
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任用資格として所定の単位を修得すると得られる資格
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めざせる資格
研究室
高分子・バイオ化学研究室(機能性高分子)

未知の高分子を探究して次世代デバイス&新材料を開発高分子合成化学、材料化学、液晶化学、光化学を基盤として、新規な反応開発から、化合物合成、物性評価、構造制御、新機能開拓、デバイス応用まで一貫して行っています。素材としては自然界に存在する天然由来物質や簡単に入手できる汎用化合物を対象にして、産業上有用な物質へ変換することを目指しています。最近では、新しい導電性ポリマーや有機無機ナノ半導体を開発し、それらの蓄電・発電デバイス材料や有機エレクトロニクス材料への応用を試みています。
- 応用化学科
- 金澤 昭彦 教授
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- エネルギーと環境 材料・素材開発 医用工学 光・光物性 化学エネルギー エネルギー材料 化学合成・プロセス コロイド・高分子
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- ・準備中
高分子・バイオ化学研究室(機能性バイオ分子)

生物の不思議をものつくりに活かす化学と工学私たち人間をはじめとする多くの生物は、様々な化合物(バイオ分子)が集まってかたちづくられ、多彩な機能を発揮しています。本研究室では、タンパク質、糖質、脂質をはじめとするバイオ分子のユニークな特性を素材開発やものつくりに活かすための研究を行っています。化学やバイオテクノロジーの原理を駆使してバイオ分子の機能を高め、「資源の有効利用」「省エネルギー」「低環境負荷(地球にやさしい)」を実現する機能材料や物質生産技術を開発しています。
- 応用化学科
- 黒岩 崇 教授
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- エネルギーと環境 材料・素材開発 化学合成・プロセス 廃棄物利用 バイオテクノロジー バイオエンジニアリング コロイド・高分子 化学
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- ・準備中
有機合成化学研究室(重合化学)

有機合成を基盤として環境に優しい材料の開発を目指す有機合成を基盤として環境に優しい材料の開発を目指して研究を行っています。さらに私達は、材料の物性や機能を追求するだけではなく、人体や生態系に安全で、環境負荷の低減を考慮した省エネルギー的な材料の合成法の確立を目標に日々研究に取り組んでいます。
- 応用化学科
- 岩村 武 准教授
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- エネルギーと環境 環境 材料・素材開発 安全・防災 エネルギー材料 化学合成・プロセス 廃棄物利用 バイオテクノロジー
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- ・準備中
有機合成化学研究室(構造化学)

分子デザインを鍵にエネルギー材料・機能材料を創成私たちの生活を豊かにする材料は小さな分子の集合体であり、すなわち材料の機能や性能は材料構成分子の性質・機能ならびに分子の集積構造に依存しています。私たちの研究室では、機能材料の設計を材料構成要素である分子そのものから行い、同時にその高次構造を制御することで新しい機能材料・エネルギー材料の開発を進めています。具体的には、環境を考慮した高効率触媒の開発や新規材料合成法の創成、エネルギー貯蔵への展開などに取り組んでいます。
- 応用化学科
- 塩月 雅士 准教授
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- エネルギーと環境 材料・素材開発 化学エネルギー
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- ・準備中
環境化学工学研究室(触媒・資源化学プロセス)

「太陽の恵み」を利用する触媒の化学と工学地球温暖化の解決策として、植物が蓄える「太陽の恵み」を「バイオエネルギー」として利用することが注目されています。そのためには、植物を造っている巨大な分子を特定の小さな分子へと分解することが必要です。私たちは、触媒を利用した化学反応を駆使して、特定の小さな分子を得ることができる規則正しい分解技術を研究しています。私たちの研究が実を結べば、廃木材、紙屑、生ゴミも「バイオエネルギー」として生まれ変わることができます。
- 応用化学科
- 高津 淑人 准教授
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- エネルギーと環境 化学エネルギー 化学合成・プロセス
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- ・準備中
環境化学工学研究室(応用電気化学)

電気を利用して、病気をみつけるナノメートルレベル(1ナノメートルは髪の毛の太さの約10万分の1!)という非常に小さい世界で分子を整列させたり密集させたりすることで作る機能性バイオ界面を用いて、感染症のウイルス粒子や病気の原因物質などを電気的に分析できるようになる材料やデバイスの研究開発に取り組んでいます。
- 応用化学科
- 秀島 翔 准教授
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- エネルギーと環境 材料・素材開発 医用工学 生体計測 バイオテクノロジー
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- ・準備中
機能性界面化学研究室

物質の界面制御を利用した機能性材料の調製法を研究両親媒性分子などが形成するさまざまな組織体を利用した機能性材料の調製法について研究しています。これらの分子組織体は構成分子が整然とした配列した秩序構造をもっていることから、吸着や反応のマトリックスに応用することでエネルギーナノ材料の高機能化が期待できます。また、これらの材料を光触媒や新しいタイプの太陽電池に応用する研究にも取り組んでいます。
- 応用化学科
- 高橋 政志 教授
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- エネルギーと環境 材料・素材開発 エネルギー材料 コロイド・高分子 化学
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- ・準備中
固体材料科学研究室(固体化学)

環境・エネルギー問題の解決を図る新物質材料を開発材料の性質を「フォノニクス」という観点から理解し、材料科学的視点に基づき、結晶化学的アプローチによる新物質・材料設計と新材料の界面及び組織の構築手法を開発しています。これらの手法は、1)高熱伝導材料、2)ケミカルリアクター、3)エネルギー変換デバイスなどへ適用され、特に、排熱放熱材料、ケミカルリアクター用固体電解質及び電極材料、排熱利用熱電半導体、光触媒(人工光合成)、色素増感太陽電池などの性能向上に貢献します。
- 応用化学科
- 宗像 文男 教授
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- エネルギーと環境 材料・素材開発 半導体
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- ・準備中
固体材料科学研究室(無機材料化学)

強く、スマートな無機材料を創り出す近年、材料の高性能化や信頼性の確保に対する要求が高まっており、厳しい環境下でも機能を発揮できる材料の研究開発が進められています。当研究室では、厳しい環境下(高温、高圧、腐食性環境など)において特異な機能を発揮できる材料として、セラミックスやそれらと金属の複合材料に注目し、作製プロセスや機能の設計・制御に関する研究を進めています。また、これまでにない新しい化学組成や微構造、特異な性質を持つ新物質の合成にも取り組んでいます。
- 応用化学科
- 小林 亮太 准教授
- KEYWORD
- エネルギーと環境 材料・素材開発 化学合成・プロセス
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- ・準備中
動的解析化学研究室

物質のなりたちを観察しエネルギーと資源の活用を進める無機化合物を中心に、物質のなりたちと環境による変化、化学反応のしくみ、新しい物質の生成などをいろいろな工夫をして観察することで、物質の活用法を見出したりエネルギーを取り出したりする研究をしています。具体的には、スクラップ鉄からクリーンエネルギー水素をつくる、粘土鉱物のイオン交換反応で環境汚染金属を回収する、産業廃棄物の性質を調べ化学的処理により機能性材料に作り変えるなどの研究をしています。また新しい発想のX線分析法の開発も行っています。
- 応用化学科
- 江場 宏美 准教授
- KEYWORD
- エネルギーと環境 材料・素材開発 放射線利用 化学エネルギー 化学合成・プロセス 廃棄物利用 分析化学・計算化学 化学
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- ・準備中