デザイン生態学研究室 / 東京都市大学

社会メディア学科に所属する学生と研究室活動を行っています．
2015年度に開設され，少しずつ成果が出るようになってきました．
大学院生を募集しています．

更新とお知らせ
2023.12.26　研究内容を更新しました
2023.10.09　研究内容を更新しました
2023.09.14　研究内容を更新しました
2020.05.21　テストページの公開
2020.05.17　テストページの制作

研究内容

1. 建築が生まれる過程 / 建築家の設計過程に関する研究

建築の設計案がどのようにして生み出されるのかを，設計資料の分析と設計者へのインタビュー調査によって調べています．その結果，設計案がまとまる際には，複数の与件を満たす高次のまとまりが出現していることがわかってきました．この結果を踏まえて，建築設計における意図のあり方を考察しています．

関連する成果

• 関博紀（2022）もうひとつの自然——建築における設計意図の生態学的検討．日本建築学会計画系論文集，Vol.87, No.802, 2710-2721. doi: 10.3130/aija.87.2710
• 関博紀（2020）複数を含むひとつ——建築設計における意図の具体性．認知科学，Vol.27，No.2，206-220. doi: 10.11225/cs.2020.004 *日本認知科学会 学会賞（奨励論文賞）［受賞者の言葉］
• 関博紀（2018）面の幾何学に内在する操作性からみた建築設計行為との親和性——ジェームズ・J・ギブソンの生態学的アプローチにもとづく建築設計行為の考察．日本建築学会計画系論文集，Vol.83, No.751, 1687-1694. doi: 10.3130/aija.83.1687
• 関博紀（2013）建物の発達——操作の重なり合いに着目した建築設計過程の記述．認知科学，Vol.20, No.2，204-223．doi: 10.11225/jcss.20.204
• 関博紀（2012）名無しの環境——生態学的資源利用としてみる建築環境の改変行為．質的心理学研究，第11号，176-188．
• 関博紀（2008）建築のオントロジー・建築家の視線の先にあるもの．「環境のオントロジー」第４章（pp.93-124）,　河野哲也・染谷昌義・齋藤暢人（編），春秋社．（ISBN-10: 4393360508）
• 関博紀（2004）建物における「囲み」について．生態心理学研究，Vol.１，No.1，45-62.


2. 新たなものが生まれる過程 / デザイナーの創作過程に関する研究

1の成果を応用して，フォントデザインや小説の創作，さらにはスポーツにおけるプレイなど，新たなものが誕生する様子を幅広く調べています．その結果，一部の営みには共通する仕組みのあることがわかってきました．これらの成果は，研究室における学生とのやり取りから生まれたもので，彼らの着想と作業量に多くを負っています．

関連する成果

• 齊藤有希，田内優花，滝りりか，関博紀（印刷中）解かれる謎をつくる——ミステリ小説70作品の分析と作家へのインタビューを通じたトリックと解明方法の関係．生態心理学研究，Vol.16，xx-xx．doi: xx.xxxx/
• 関博紀，後藤明里（2018）文字が生み出す空間——フォントデザイナーへのインタビュー調査を通じたフォント表現の考察．デザイン学研究，Vol.65，No.2，21-29．doi: 10.11247/jssdj.65.2_21
• Hiroki SEKI. (2018). Experimental examination of play skills in three-on-three basketball games and their ecological perspective. North American Meeting of the International Society for Ecological Psychology 2018 (ISEPNA 2018) Abstracts, 33.


3. 人工物の適応に関する博物学的・系統学的研究

操車場の跡地，シャープペンシル，忘れ物，公園の遊具...など，世の中の様々な人工物を取り上げて，それがどのようにして生み出され，日常に適応しつつあるかを調べています．2と同じく，これらの成果は研究室における学生とのやり取りから生まれたもので，彼らの着想と作業量に多くを負っています．

関連する成果

• 関博紀，佐野翔哉，伊藤拓海，⾼杉優作，⼭本右晃（2023）コーヒー抽出技術にみる調整過程——ハンドドリップコーヒー31商品を対象とした商品分析とバリスタへのインタビューを通じた考察．Designシンポジウム2023講演論文集，Designシンポジウム2023運営委員会，245-247.
• 永利里沙子，関博紀（2023）環境デザインとしての役割に注目したサインデザインの分析——51作品228事例を対象とした作品分析とインタビュー調査を通じた考察．日本デザイン学会第70回研究発表大会概要集，日本デザイン学会，Vol.70，162-163. doi: 10.11247/jssd.70.0_162
• 関博紀，亀井翔太，佐藤翼，平林知樹，深川奈未（2023）言葉の立体表現——小説および映画との比較を通じた朗読劇の独自性．日本デザイン学会第70回研究発表大会概要集，日本デザイン学会，Vol.70，96-97. doi: 10.11247/jssd.70.0_96
• 関博紀，佐々木智也，石井滉也，井本凪香（2023）ヘアカットにみる調整過程——女性のロングヘアを対象とした髪型分析とカット場面の分析．日本デザイン学会第70回研究発表大会概要集，日本デザイン学会，Vol.70，470-471. doi: 10.11247/jssd.70.0_470
• 永利里沙子，関博紀（2022）情報と環境の関係に注目したサインデザインの分析——25作品115事例を対象とした分析．日本デザイン学会第69回研究発表大会概要集，日本デザイン学会，Vol.69，242-243. doi: 10.11247/jssd.69.0_242
• 関博紀，梅澤明日香，大里玲奈，長田怜也，小林悠佳（2022）ミュージックビデオにおける表現の独自性——60作品を対象にした映像分析．日本デザイン学会第69回研究発表大会概要集，日本デザイン学会，Vol.69，258-259. doi: 10.11247/jssd.69.0_258
• 関博紀，小林丈流，児玉友樹，鈴木健太（2022）スニーカーのデザインにみる変化と持続——2002年から2009年の間に国内で販売された157モデルを対象とした分析．日本デザイン学会第69回研究発表大会概要集，日本デザイン学会，Vol.69，436-437. doi: 10.11247/jssd.69.0_436
• 佐藤佳苗，永利里沙子，矢野咲良々，関博紀（2021）歌詞の隙間——邦楽100 曲を対象とした歌詞分析と歌手へのインタビューを通じた歌詞の役割に関する研究．Designシンポジウム2021講演論文集，Designシンポジウム2021運営委員会，263-265.
• 野上洸玄，鳴海史弘，古越崚，関博紀（2021）食のデザイン——ファミリーレストランチェーン3社のメニュー分析と飲食業関係者へのインタビューを通じた食材と調理法に関する研究．Designシンポジウム2021講演論文集，Designシンポジウム2021運営委員会，260-262.
• 刈谷佑斗，小森花歩，古澤秋人，関博紀（2021）鬼ごっこの奥行き——PvP 型鬼ごっこゲーム37 作品の分析からみたゲームの魅力．Designシンポジウム2021講演論文集，Designシンポジウム2021運営委員会，266-267.
• 齊藤有希，田内優花，滝りりか，関博紀（2020）人工の謎——ミステリ小説70作品の分析と作家へのインタビューを通じたトリックとその解明方法に関する研究．日本認知科学会第37回大会発表論文集，日本認知科学会，182-184.
• 関博紀，平尾春菜，安炤映，本田歩（2020）物語と現実の間で生まれる表現——国内で放送されたテレビドラマ316 作品を対象としたエンディングの映像分析．日本デザイン学会第67回研究発表大会概要集，日本デザイン学会，Vol.67，458-459. doi: 10.11247/jssd.67.0_458
• 関博紀，駒形育久，スズキアリムジャイラニ，山田優斗（2020）ゲームセンターの店舗レイアウトにみる適応性——国内14店舗を対象としたフィールド調査と関係者へのインタビューからみた店舗内の領域とゲーム機器との適応的関係．日本デザイン学会第67回研究発表大会概要集，日本デザイン学会，Vol.67，146-147. doi: 10.11247/jssd.67.0_146
• 佐藤伸光，足立和総，小森清美，古谷佳奈，関博紀（2019）遊具の複雑さと遊びの多様性——実際の公園を対象とした遊びの観察調査にもとづく考察．Design シンポジウム2019講演論文集，Designシンポジウム2019運営委員会（編），297-299．
• 米倉美樹，三木萌，白川廉真，関博紀（2019）遺失物の生態学的検討——発生場所と携帯方法に注目した考察．Design シンポジウム2019講演論文集，Designシンポジウム2019運営委員会（編），31-33．
• 丸山栞奈，山﨑純夏，山之内陽香，関博紀（2019）文具のデザインにみる全体性——国内で販売されているシャープペンシル 30 本を対象としたレーダー図評価と開発者へのインタビュー．Design シンポジウム2019講演論文集，Designシンポジウム2019運営委員会（編），15-20．
• 日高拓人，佐藤庸平，菅原萌子，関博紀（2017）都市の面影——国内29か所の操車場を対象とした用途変更に伴う土地利用の変遷に関する研究．都市計画報告集，No.16，14-17．


4. デザイン行為とその基盤に関する理論的な考察

以上の研究を踏まえて，新たなものが生まれる過程について理論的な検討を試みています．

関連する成果

• 関博紀（2023）もうひとつの自然 その1：ゴットホルト・E・レッシングの自然概念．2023年度日本建築学会大会（近畿）学術講演梗概集（建築計画），日本建築学会，1191-1192.
• Hiroki SEKI. (2023). The implications of potential-effective stimuli in James Gibson’s ecological psychology: One hypothesis and issues. In Pablo Covarrubias, Ángel A. Jiménez and William H. Warren (Eds.), Studies in Perception and Action XVI: Twenty first international conference on perception and action (p.39).
• 関博紀（2022）建築と情報 / 詩人と歴史家．2022年度日本建築学会大会（北海道）情報システム技術部門 研究協議会「建築と情報——これからの建築学に向けて」資料, 日本建築学会, 67-68.
• Hiroki SEKI. (2020). Is design concept artificial or ecological? 26th International Association People-Environment Studies Conference, monitored from Québec City, Canada due to the Covid-19 pandemic. (Peer-reviewed flash presentation)
• 関博紀（2013）「つくる」と「つかう」を超えて．「技術——身体を取り囲む人工環境」（『知の生態学的転回』第２巻）第３章（pp.81-105），村田純一（編），東京大学出版会．（ISBN-10: 4130141325）

担当科目

東京都市大学では以下の科目を担当しています．東京都市大学シラバス

（前期前半）「認知科学特論（大学院）」
（後期前半）「認知科学」
（後期前半）「社会情報デザイン」
（後期後半）「情報環境論」
（後期）「SD PBL(2) / 社会文化フィールドワーク」

東京海洋大学では以下の科目を担当しています．東京海洋大学シラバス

（前期）「心理学」