研究内容
炭素系高機能材料の形成過程・特性の原子スケールシミュレーション
フラーレンやカーボンナノチューブ、グラフェンなど1次元、2次元の原子構造を持つ材料が次世代デバイスへの応用に向けて注目を集めています。これらの材料は原子スケールの構造を制御することによって様々な興味深い電気的な性質を示すことが研究されており、それらを新しい電子デバイスや熱電デバイス、太陽電池デバイスに応用する研究も進められています。また、現行のシリコンデバイスにおいても微細化に伴う構造制御や熱による安定動作や劣化が問題になっていますが、カーボンナノチューブ、グラフェンは熱的な構造安定性が高いことも注目されています。
本研究室では、密度汎関数法を用いた第一原理電子状態計算によって、様々な材料の電子特性や熱的安定性、化学反応性について研究しています。新たな構造の電子状態の予測に加えて、その形成過程や安定性・反応性に注目して研究を推進しています。




社会インフラのデータ分析による保守管理の高度化
私たちの生活を支える社会インフラの多くは高度経済成長期に 建設されており、現在、老朽化が深刻な問題となっています。効率的 に保守・管理することがますます重要になる一方で、道路構造物(橋梁、トンネルなど)の保守・管理を担う技術者の技術継承も課題となっているのが現状です。そこで、橋梁や構造物に設置されたセンサーデータや巡回点検車両に設置された機器によって測定されたデータを分析・活用することで、点検者の経験に依存しない高度な状態の判定や、保守・管理の自動化・コスト削減することが期待されています。
本研究室では、加速度センサや音声センサ、赤外線サーモグラフィカメラ、高感度カメラ等を車載し、GNSSの位置情報と合わせて取得されたデータを統合的に分析することによって上記の課題の解決を目指しています。企業との連携や共同研究も積極的に実施し、NECで開発されたインバリアント分析やモデルフリー分析などの技術の活用や応用についても研究しています。