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スヌーズレン・ラボについて

近年、ストレス社会や多様性への理解が求められる中で、「誰もが安心して過ごせる空間づくり」への関心が高まっています。そのような中で注目されているのが、スヌーズレン・ラボの活動です。 スヌーズレン・ラボは、「スヌーズレン」の考え方を基盤に、子どもたちをはじめとする多様な人々が安心して過ごせる環境づくりに取り組んでいます。スヌーズレンとは、光や音、香り、振動、触覚などの感覚刺激を活用し、一人ひとりが自分のペースでリラックスできる空間を提供する活動です。1970年代にオランダで誕生し、現在では福祉・教育・医療の現場を中心に世界各地で活用されています。

スヌーズレン・ラボでは、スヌーズレンルームやセンサリールームの企画・運営支援だけでなく、映像や音楽コンテンツの制作、講座の開催、研究活動なども行っています。さらに近年では、アートやテクノロジーを活用したプロジェクトにも取り組み、誰もが参加しやすいインクルーシブな社会の実現を目指しています。

今回、スヌーズレン・ラボの活動に関わる木村先生にお話を伺いました。この活動は代表の橋本さんを中心に進められているプロジェクトであり、より多くの人にスヌーズレンの考え方を知ってもらうため、空港や渋谷といった多くの人が集まる場所への設置も行われています。福祉施設の中だけではなく、日常生活の中で自然に体験できる環境を増やしていくことが大きな目標の一つとなっています。

また、企業や地域社会と連携しながら実践的な課題解決を目指す「リビングラボ」という考え方も取り入れられています。リビングラボとは、実際の生活空間や地域社会を舞台に、人々と協力しながら新しい価値や仕組みを生み出していく取り組みです。今後、ソーシャルデザイン研究室の学生とも積極的に関わりながら活動を発展させていきたいと考えています。

スヌーズレン・ラボについて、学生の皆さんに特に注目してほしいのは、「まずは実際に体験してみること」です。スヌーズレンというと、発達障害のある人や特別な支援を必要とする人のための空間というイメージを持つ人も少なくありません。しかし、それだけではありません。現代社会で生活する私たち自身も、日々さまざまなストレスや不安を抱えています。そのような中で、自分らしく落ち着いて過ごせる場所は誰にとっても必要なものです。

スマートフォンやSNSの普及によって常に情報に囲まれる現代社会では、心から安心して過ごせる時間や空間が失われつつあります。だからこそ、スヌーズレンが提供する「何もしなくていい」「自分のペースで過ごせる」という価値は、今後さらに重要になっていくでしょう。

私は、もっと現代に合ったリラックスできる場所が必要であると考えています。もっと言うと、今の生きづらい社会を少しでも変えていきたいという思いがあります。活動に参加する中で、単に知識を学ぶだけではなく、社会の仕組みや人との関わりについて新たな発見をすることで得られる知見があるのではないでしょうか。実際に空間を体験し、人々の反応を観察し、多様な人々と関わることで、教室では得られない気づきや学びが生まれるはずです。スヌーズレンの可能性はまだ十分に社会へ浸透しているとは言えません。今はまだ、新しい取り組みを続けながら試行錯誤している段階です。それでも、学生や地域の人々と一緒に、少しずつ社会を変えていくことで現代の社会は少しずつ良いものに変わっていくと信じています。

スヌーズレン・ラボの活動は、単なる福祉支援にとどまりません。人と人とのつながりを生み出し、誰もが安心して過ごせる環境をつくることで、新しい社会のあり方を提案しています。これからソーシャルデザイン研究室の学生たちがどのように関わり、新たな価値を生み出していくのか、今後の展開に注目したいと思います。

文責:伊藤柚希