

私たちは、「人々が主体的に共創できる社会」の実現を目指し、ソーシャルデザインや社会システムデザインの研究・実践を行っています。効率性や均質性を重視する従来の考え方だけではなく、多様な価値観や人それぞれの生活世界を大切にし、人と人との関わりの中から新しい価値を生み出す「自分たちごとのデザイン」を重視しています。また、課題に対して一方的に答えを与えるのではなく、多様な立場の人が対話を重ねながら共に考え、新しい可能性を生み出していく「主体性」と「共創」を大切にしていることが特徴です。その考え方を実践する活動の一つが「人間フェスティバル」です。人間フェスティバルは、「IdentitieS ~わたしの行方~」をテーマに、「自分らしさとは何か」「人はどのように生きていくのか」といった問いについて、多くの人が考え、対話する機会をつくることを目的に開催されました。現代社会では、SNS やテクノロジーの発展によって人とのつながり方や価値観が大きく変化しています。そのような中で、自分自身の価値観や生き方について改めて考え、多様な人との関わりを通して新たな視点に出会う場として企画されています。イベントでは、トークセッションや VR 体験、展示などを通して、参加者がさまざまな立場や価値観に触れながら「自分とは何か」について考える機会が提供されています。単に知識を学ぶイベントではなく、人と人との交流や対話を生み出し、新しい価値観に出会う場づくりを目指していることが特徴です。参加者は異なる価値観や経験に触れることで、自分自身について見つめ直したり、他者との違いを知ったりするきっかけを得ることができます。こうした対話を重視する姿勢は、木村先生が大切にしている「主体性」や「共創」という考え方とも深くつながっています。


現在、ソーシャルデザイン研究室では、スヌーズレンラボさんとの共同プロジェクトにも取り組んでいます。企業や地域と連携しながら実際の社会の中で活動することで、講義だけでは学ぶことのできない実践的な経験を積むことができます。多様な立場の人と協働しながら課題について考え、対話を重ね、新しい価値を生み出していく経験ができることも研究室の魅力の一つです。


私は、人間フェスティバルや現在の共同プロジェクトについて知る中で、「デザイン」とは建物や物をつくることだけではなく、人と人との関わりや対話が生まれるきっかけをつくることでもあると感じました。今後はソーシャルデザイン研究室での活動を通して、多様な人と関わりながら視野を広げ、共創や対話を大切にしたソーシャルデザインについて実践的に学んでいきたいと考えています。
文責:水野うらら