交通流シミュレータによる歩行者の動きを考慮した交差点の調査(2024年度卒業研究)

本研究は、交差点における渋滞緩和を目的とし、車線数と歩行者の動きの双方を考慮した研究である。先行研究では、車線数または歩行者の動きのみに着目した渋滞研究が多く、両者を組み合わせた研究は限定的である。そこで本研究では、車線数と歩行者の動きの双方を考慮した研究を行った。

手法として、交通流シミュレータSUMO(Simulation of Urban MObility)を用いて、図1、2に示した南北方向に3本の1車線道路、東西方向に3本の平行道路(北側1車線道路、中央2車線道路、南側1車線道路の合計3本)からなる、9つの交差点で構成される道路ネットワークを構築した。この時歩行者は直進のみとし、車両・歩行者の流入数を時間帯ごとに変化させた。東西・南北の車線を部分的または全体的に増加させる6パターンを設定し、シミュレーション終了時の待ち台数を比較した。

結果として、南北方向の一部車線のみを増加させたパターン(2)では、通常時より待ち台数が約4.5倍に増加し、時間経過とともに渋滞が悪化した。一方、全車線を増加させたパターン(6)では待ち台数が0台となり、渋滞が解消された。

考察として、一部車線のみの増加は他の車両(左折・右折車など)の通行もスムーズにしてしまい、かえって渋滞を悪化させることが判明した。歩行者を含む複雑な道路環境では、部分的な車線増加ではなく、全体的な道路整備が渋滞緩和に有効であることが示された。

図1 車道ネットワークの外観図
図2 交差点拡大図

参考文献

[1]山田ら、歩行者溜まりの情報を考慮した交通信号スプリット制御システムの提案 (掲載日2021 /6/28~2021/06/11) (参照日2024/4/30) 

 [2]張ら、車線数の動的変更と経路計画の組み合わせによる渋滞緩和方式の提案・評価(更新日 20 23/9/8) (参照日2024/4/30)