研究事例

■地すべり発生危険度評価

国土の75%を山地で占められる日本.豪雨や地震によって地すべり災害が毎年発生しています.こうした災害を減らすためには,地すべりが発生する場を事前に予測しておくことが重要です.私たちの研究室では高知県東部の山間域を調査サイトとし(A・B・C),地形から地下水位を地形から推定(D),そして斜面の安定性を解析することで地すべり発生危険箇所を推定しました(E).
【参考】Sato, G et al. (2021) New Approach for the Extraction Method of Landslide-Prone Slopes Using Geomorphological Analysis:Feasibility stuy in the Shikoku Mountains, Japan, Jour.Disaster Research, 16, 618-625 .

2023年10月03日

■ハザードマップ作成を通じた国際協力

中米ホンジュラスの首都テグシガルパは盆地上に位置し,豪雨にともなう大規模な地すべりが発生します(A).国際協力機構(JICA)の事業として,首都圏の地すべりハザードマップの作成に取り組むとともに,作成方法の技術移転をホンジュラスの研究者・技術者に対して行ってきました.このハザードマップは現在,テグシガルパ市政府の防災計画の基図として活用されています.
【参考】佐藤剛ほか(2017)国際協力機構(JICA)による地すべり調査・対策事業の動向,日本地すべり学会誌,54 (4), 155-162.佐藤剛ほか(2015)ホンジュラス共和国を対象とした日本の国際協力による地すべり調査・対策の取り組み,日本地すべり学会誌,52 (4), 161-167 .

2023年10月03日

■先端技術を用いた計測

熊本県の阿蘇におけるテストサイトでは斜面変動をとらえるために加速度傾斜計を設置しています(A).降雨量との関係から地すべり発生のプロセスを把握するのが目的です.また研究室には高精度な地形図をつくるためのLiDARドローン(B)や専門家の技術を定量的に把握するための視線計測システム(アイトラッキング)を保有しています.研究室の学生はこれらの機材を用いて防災研究に取り組んでいます.

2023年10月03日

■ジオアーケオロジーへの挑戦

 

中央アジアのキルギスにおいて考古学者とともに世界遺産アク・ベシム遺跡の調査を進めています.これまでにアク・ベシム遺跡周辺の地形分類図をリモートセンシングとフィールドワークのデータから作成してきました.その結果,多数の城郭遺跡が地形境界上に立地することが明らかとなりました.この遺跡では地震によって変形したと考えられる城壁も発見されました.私たちは地盤工学研究者とも協働して城壁の変形プロセスについて研究を進めています.
【参考】佐藤剛ほか(2018)中央アジア・チュー川盆地の地形分類図を基に検討した中世都市遺跡の立地特性,地図,56(2),4-12.

2023年10月03日