本研究では、物体認識技術によって人物が正しく認識されない画像や動画を収集し、人物推定が不確実になる場面に共通する特徴を調査した。
調査では、物体認識モデルであるYOLOを使用し、画像にはYOLOv8、動画にはYOLOv5を適用した。既存のデータセットや自分で撮影した画像、YouTubeのライブカメラ映像を対象に、人物の認識結果や確信度を確認した。人物認識の不安定な画像には、顔や体の一部が隠れている、背景と服の色が似ている、暗さや逆光の影響があるなど、原因と思われる特徴が見られた。
ライブカメラ映像の実験では、日傘を差した同じ人物が、時間の経過によって、人、自転車、オートバイといった異なる物体として認識される事例が確認された。また、暗い場所でうずくまった人物がスケートボードと認識されたり、傘で上半身を隠した人物が羊と認識されたりする事例も見られた。
以上の結果から、人物の見た目や周囲の環境に関する複数の条件が重なると、誤認識や未検出につながる可能性が示唆された。条件の組み合わせをさらに調査し、人物認識が不確実になりやすい条件の傾向を探ることが今後の課題である。

