TCU鉄研 GCHな日記

ザ・ヒロサワシティの北斗星

冒頭少しだけ、関係のないお話を。

前回のホームページ制作の道のりにて登場した2年生の橘君。
実は留学へ旅立ってしまい、ホームページの編集をすることができなくなってしまいました。
その間HPをどうするかというと、部長がなんとか管理するように伝えられました。
しかしながら、プログラミング実質初心者の私は、長大なソースコードをただぼーっと眺めることしかできませんでした...
時は流れ、旅立ってからはや3カ月が経とうとしていました。
なんと部長、少しだけソースコードを書けるようになったのです!!日進月歩!!
ということで、初心者に毛が生えた程度のブログをご覧ください。

ザ・ヒロサワシティは茨城県筑西市にある、博物館やゴルフ場などを併設した巨大なレジャー施設です。 園内の区画の一部である「ユメノバ」には、寝台特急「北斗星」や新幹線「やまびこ」などが展示されています。

ヒロサワシティ入口

自宅からおよそ3時間ほど。東名と首都高、常磐道を乗り継いでやってきました。
ちなみに、今回自動車を選んだのは、首都高の危険極まりない線形に慣れるためです。
勿論父上も一緒でございます。

EF81 138

EF81-138

入園すると、すぐに赤い電気機関車「EF81 138号機」が目に入ります。 この138号機の特徴といえば、何といっても前面窓上にある精悍な庇(ひさし)です。
この庇があるかないかで、横から見た時の印象が大きく変わりますね。
EF81に庇が装備され始めたのは、1979年に登場した137号機からです。
その後、133号機から136号機も137号機に準じた改造を受けました。
(ちなみに、その中でも特に異彩を放っていたのが133号機です。
この機関車は改造を受け、唯一無二の「星釜(北斗星色)×ヒサシ」となりましたが、残念ながら解体され、現在は見ることができません...)
なお、138号機には北斗星の象徴である流れ星のマークは付けられていません。これは、当機が本来は北斗星の専用牽引機ではなかったためです。
現役時代は主に「あけぼの」「北陸」「はくつる」などのブルートレインを牽引していましたが、何度か「北斗星」の代走を務めた記録もあり、広範囲で活躍していた機関車です。

オハネフ25 オハネフ25
12
オハ25 オハ25
503
スシ24 スシ24
505
オロハネ24 オロハネ24
551
EF81 EF81
138

ここで、ユメノバに収蔵されている24系について解説いたします。 ユメノバには現在、オハネフ25 12,オハ25 503,スシ24 505,オロハネ25 505の4両が展示されています。 4両とも内部を公開しており、現役当時のまま残されています。前方の車両から見ていきましょう!

オロハネ24 551

オロハネ24

オロハネ24は、その形式記号から、A寝台とB寝台が合造された車両であることがわかります。
車端部にはB寝台ツインが7室、車両中央部にはA寝台ロイヤルが2室配置されています。
このように不均等な配置になった理由は、台車から伝わる振動が関係しています。
車端部は振動が室内に伝わりやすいため、より高級なロイヤル寝台を振動が少ない車両中央部に配置したのです。

B寝台ツインの配置も特徴的です。横に長い長方形の客室の窓が上下で交互に並んでいます。

B寝台上段
デュエット上段
B寝台下段
デュエット下段

これは、車内の限られた空間を有効的に活用する工夫です。 配置を互い違いにし、上段の個室の一部を下段の個室に食い込ませることで、高い天井を得ることができます。

Before
オロハネ25
オロハネ25
500
After
オロハネ24
オロハネ24
550

ちなみに、こうした個室配置の工夫は、北斗星の最初期である1988年に生産されたオロハネ25 500によって生まれたものです。
客室はA寝台ロイヤルとB寝台ソロで二分されており、B寝台ソロも個室が縦に連なって配置されています。
ソロとデュエットという違いはあるものの、この時に改良された設計思想は、後にオロハネ24 550へと受け継がれていきました。

スシ24 505

スシ24

(スシ24のよい写真がありませんでした...)
スシ24は北斗星に連結されていた食堂車です。改造される前はサシ481という形式で、485系の特急「白鳥」などに使用されていました。
種車が特急車両なのでほかの形式と比較しても屋根が一段低くなっています。ベンチレーターやクーラーなど屋根上機械が目立ちます。
車内には「グランシャリオ」と呼ばれる食堂があります。

スシ24

車内は赤を基調としたシンプルで明るいエクステリアでまとめられています。
綺麗な保存状態を見ると、今にも北斗星として走り出しそうに感じます。現役時代の風景が今もここにありました。

オハ25 503

オハ25

北斗星のシンボルはここにもあります。オハ25 503はロビーカーとして旅客に寛ぎを提供していました。
現代のロビーカーの歴史は、国鉄末期のブルートレイン改革時に始まります。「富士」「はやぶさ」への導入を皮切りに、快適な共用空間として徐々に広がり、より多くの列車に連結されるようになりました。
「北斗星」も例外ではなく、もともと開放式B寝台だったオハネ25が改造され、ロビーカーとして組み込まれたのです。

スシ24

車内には広々とした空間が広がり、そこにはソファが並べられています。
多くの寝台特急の旅人が、この場所で旅の疲れを癒したことでしょう。
写真の奥に見えるのは、4つのシャワールームです。
寝台列車において欠かせない設備ですが、誕生当時はシャワールームを装備している列車はまだ少数派でした。
その象徴的な例が、寝台特急「北陸」に連結されていたスハネ14 700形です。
この車両の側面には「SHOWER」と大きく記され、シャワールームの存在を強くアピールしていました。
当時、それほどまでに貴重な設備だったのです。

オハネフ25 12

オハ25

北斗星といえばこの顔!最も一般的で多数派の車両です。

いかがだったでしょうか。ザ・ヒロサワシティ内のユメノバは、全国でも他に類を見ないほどブルートレインを展示しています。
今は大変貴重な存在となってしまったので、見ごたえがあります。是非皆さんも訪れてみてはいかがでしょうか。

著:2年 吉田 柾